父のポテトサラダ 

 

母が亡くなってから、もうすぐ2か月。

自分の予想とは逆に母に先立たれてしまい、寂しさを抱えている父。

少しづつ元気になってほしいなあと願い、何とか支えなくては!と

毎日必ず実家に行っては、食事をしたり、片付けをしたり、父と一緒に過ごしていたのですが

 

私の膝に、週末からいきなり激痛が!!

 

思いがけず、実家に行くことができなくなりました。

 

そうしたら、なんと!!

父が、今日はポテトサラダを作ったと持ってきてくれました。

マカロニ、きゅうり・・・色々入っていて美味しくできていましたよ💛

 

母が元気だった時、人にドリップコーヒーをふるまうのは好きだけど、決して食事の支度などしなかった父。

「簡単な物でいいからたまには作って」と母が言っても、「無理!」の一言で片づける。

そんなやりとりをずっとしていた。

でも、母の病気がわかってからは、母の指導の下、洗濯やトイレそうじ、食事の支度を少しづつやるようになって。

84のおじいさんの手習い。

それも大変だったろうけど、母に聞きながらやるのと、母がいなくなった家でやるのとでは、きっと雲泥の差があったと思う。

それは、やり方とかの技術的な事だけじゃなくて、前向きな気持ちがなければできなかった事だろうから。

「じいさんが先に逝く予定だったのに・・・」その言葉ばかり繰り返していた父が、この間、言ったのです。

「この一人残された空しい気持ちを、ばあさんに味合わせずに済んだことを良かったと思うことにした!」と。

そして、今日のポテトサラダです。

 

心配で毎日実家に通っていた私ですが、こんなプレゼントがあるなら膝の痛みもまあいいか。

老いた父が少し元気になったような気がして、嬉しくて、ポテトサラダも美味しくて。

そして、私自身も少し元気になれそうな気がするのでした。