今年の細やかなおせち(母を偲ぶ)

今年のおせちは、これだけ。

喪中だし、何よりやる気が起きなくて。

 

父のリクエストで数の子(塩抜きしただけ)

煮豆(金時豆)

なます(紅白でないVer.)

 

去年までは、母と分担して作っていたおせち料理。

私は、栗きんとんや紅白なます

母は、黒豆や田作り

 

煮しめも二人で分担して、

じっくり濃いめの味に煮含める、昆布としいたけは母で

私はそれ以外を担当。

ハスには酢を入れてサッパリと。

人参は少し甘めの優しい味に。

タケノコはカツオの出汁を効かせて。

ごぼうは醤油を効かせて少し濃いめに。

コンニャクはタケノコとごぼうの中間くらいの味付けに。

あ、里芋も母の担当だった。

 

二人ともいつも目分量で作った煮物を、お正月に煮しめとして合体して

お互いに味見しては「今年はうまく煮えた」とか言い合って。

毎年、出来は違ったけれど、

母から教わった味付けは、分担したものを合体してもバランスが良く美味しかった。

今年は煮しめを作らなかったので、同じ味付けで具材を煮て、ちらし寿司を作ったよ。

 

雑煮も煮物も、母の料理はほぼ作れるようになったけど

専売特許?だったのが黒豆。

ふっくらと色よく煮るのは母にしかできず、分担する余地がなかった。

 

亡くなる前の自宅療養中、母は思いつくままに、私に料理のことも言い残した。

お赤飯の炊き方だの

父のために、下ごしらえした野菜を冷凍しておいてくれだの。

でも、黒豆の煮方は聞かなかったね。

聞いたら居なくなってしまいそうで、聞けなかった。

 

だから今年は、母が買い置きしていた金時豆を煮て。

好物だった紅白なますを、大根と柚子だけで。

 

食卓も気持ちも淋しかった今年のお正月。

 

でも、コロナ禍で、

たとえ喪中でなくても、仕事や感染予防で

淋しいお正月を過ごした人もいるだろう。

 

 

元気で新年が迎えられたことに感謝して、

いい年にしていこう。

そして、来年はにぎやかなおせち料理を作って、囲めますように。