移ろいゆくもの

 

4年前の開店時から使っていた棚を新しく更新しました。

(普通はここで新しい棚の写真を載せるのかもしれないけれど、思い入れがあるので、サヨナラする棚の写真を。

新しいものは、どうぞ見に来てください)

 

元々は、息子たちが漫画本を収納していた棚のリメイク。

販売するシフォンを並べて、お客様に手に取って選んでもらっていました。

でも、コロナのため、シフォンは私だけが触るように変更したので、

1年以上、何だか中途半端な感じになっていたんです。

で、古いものも大好きな私ですが、更新することにしました。

 

今週は、ご注文のシフォンが続いた週でした。

新年度に職場の方に配るためのシフォンや

お孫さんが生まれたおばあちゃんから、新米ママへのお祝いシフォンも作らせていただきました。

そんな中、私の叔母の葬儀があり、叔母のためにもシフォンを焼きました。

(93歳。大往生の叔母は、シフォンを食べながら天国への旅をがんばってくれると思います)

 

30年も前の話ですが、私が看護学生だった頃。

実習していた隣の病院には、建物の中央に古いチャペルがありました。

チャペルでは、結婚式もお葬式も行われ

式が始めると、親戚でもない患者さんが点滴台を押しながら集まってきては一緒に祈ったりしていて

その光景が好きでした。

(私は信者ではないし、キリスト教概論という授業は夢の時間に当てていた不真面目な学生でしたが)

 

人が生まれる。

亡くなる。

相反する出来事だけど、ごく当たり前に、私達の暮らしの中にある事。

そしてその出来事に想いをはせながら、シフォンが焼けることの幸せを感じた週になりました。

 

全ての事は、変化していてとどまらない。

 

お客さまとの関係も同じかもしれません。

もう3年以上のお付き合いが続いている方もいるし

いつの間にか来られなくなった方もいます。

一方で、新しいお客様との出会いもある。

 

少し前までは、お顔を見なくなったお客様の事が気になって仕方なかったけれど

(お元気かな?とか、シフォンが美味しくなかったかな?とか)

最近は、いい塩梅に考えすぎないようになりました。

相手には相手の事情があるのだし

次にお会いできた時に美味しいシフォンを食べてもらえるよう

私は私の仕事を頑張りたいと思っています。

 

全ては移ろいゆくもの(方丈記の心情?)

私自身も流れに抗うことなく

でも、感謝や祈りの気持ちを忘れずに

これからもシフォンが焼けますように。

 

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コメント: 2
  • #1

    ナガサワ (金曜日, 16 4月 2021 15:47)

    とても美味しくいただきました。
    ごちそうさまでした。
    悪阻が辛く、食べても食べなくても年中気持ちが悪い時に、ふと“のうさぎのシフォンケーキが食べたい”と思い買いに行きました。
    丁寧に作られたシフォンケーキと素敵なお人柄の鈴木さんにほっこりと癒され、元気もいただきました。
    身体に良くて美味しいものが食べられて幸せです。
    お家の近くにこんなに素敵なシフォンケーキ屋さんがあるのも幸せです。
    また行きます。
    ありがとうございました。

  • #2

    のうさぎ 鈴木 (金曜日, 16 4月 2021 20:40)

    ナガサワさま

    ご来店ありがとうございました。
    HP、ブログもご覧き嬉しいです。

    ご妊娠、おめでとうございます!!

    でも、つわりは辛いですね。
    少しでも食べられたなら良かったです(バナナ、終わってしまっていてごめんなさい)
    しばらく大変ですが、がんばれ!!
    応援しています!!

    また、気分転換を兼ねてお出かけください。
    お待ちしています。