気分転換に出かけたカフェでの出来事

時間の空いた木曜日、気分転換にお散歩しながらカフェへ

 

瀬谷にある広い一軒家のカフェは

コロナ禍でも、人と人が交流できる場を!

と、オーナーさんが新しくオープンした場所

リビングのテーブル席や和室、中庭でもカフェを楽しむことができます

 

一人、気ままに出かけた私はテーブル席へ

単行本や絵本など、たくさん置いてある本の中から

いつも読むシリーズを読み始めました

 

奥の和室には、ママと幼い子どもが2人いましたが

しばらくすると、飽きてきた子ども達が

ちょこちょこと、リビングにも姿を現わすように

聞けば、お姉ちゃんは3歳、弟くんは1歳だそうで

ママは、二人を順に追いかけたり

周りのお客さんに謝ったり

 

そんな親子を、オーナーさんも面倒見ながら温かく見守っている

こちらのカフェは、そんな優しい空気が流れている場所なんです

 

リビングの2人掛けのソファーに座っていたのは、杖をついて一人で来店したおじいちゃん

店内を歩き回る子ども達に「こっちにおいで」と声をかけました

隣に座り、おじいちゃんにもたれかかった3歳のお姉ちゃんは

身体がすっぽり収まったように、何だか居心地よさそう

「ごめんなさい」と謝るママに

「いいよ、いいよ、じいちゃんの隣にいりゃあいいんだ」と静かに答えるおじいちゃん

 

そのうち、お姉ちゃんが、独り言のように何か言い始めました

小さな呟きに耳を澄ましてみると

「マー君(弟のこと)はね、いたずらするのよ」とか

「私も困ってるの」とか

何やら、訴えている様子

耳の遠いおじいちゃんは、聞こえているのかいないのか

お姉ちゃんの言葉に「そうか、そうか」と優しく相づちだけを続けます

お姉ちゃんの訴えはさらに続きますが

おじいちゃんの答えも、ずっと変わらずに「そうか、そうか」の繰り返し

 

おじいちゃんに優しく受けとめてもらい

至福の時を過ごしたお姉ちゃんは

何だか浄化されたよう

とても落ち着いた表情で、店から出て行ったのでした

 

私は、この光景に立ち会って

感じた事がたくさんありました

 

たとえば、傾聴、受け入れるという事の基本、とか

誰かに話して受け止めてもらうのは、子どもも大人も安心するんだなあ、とか

あのスーパー受け入れができるのは、高齢のおじいちゃんだけかもしれない、とか

「子育て支援」や「高齢者対策」などの決められた枠の中では、この光景は見られなかった、とか

 

帰りがけに、オーナーさんともこの光景を共有して

コロナ禍での制限・試練はたくさんあるけれど

お互いにがんばろう!と話したのでした

 

そうそう、”試練”で、ふと思い出したのも

カフェで読んでいた本の中のセリフ

「試練は壁ではなくて、扉なの」

 

何だか全てがつながって

とても前向きになれた時間でした