自分の感受性くらい

見た目と違って?意外に弱っぴいな私が

いつも近くに置いているのは

茨木のり子さんの詩

 

 

これまでにも

心が元気じゃなくなった時に思いだしては

深呼吸しながら、声にして

何度も何度も

自分の中で反芻している詩です

 

静かに、静かに

自分を奮い立たせるために

最近、また、声に出すことが多くなっています・・・

 

 

「自分の感受性くらい」

 

ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて

 

気難しくなってきたのを 友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか

 

苛立つのを 近親のせいにはするな

なにもかも下手だったのはわたくし

 

初心消えかかるのを 暮らしのせいにはするな

そもそもが ひよわな志にすぎなかった

 

駄目なことの一切を 時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄

 

自分の感受性くらい 自分で守れ

ばかものよ

 

(茨木 のり子)